令和6年度
サービス利用者/事業者調査

調査背景

科学的なエビデンスに基づくヘルスケアサービスの社会実装推進を目的に医学会が作成した指針の普及活動に活用するため、令和5年度に続き、サービス利用者(自治体、健康経営企業、健保組合等)、サービス提供事業者(開発、提要・販売事業者)を対象に、ヘルスケアサービスの提供・利用の現状と課題に関する調査を実施しました。
調査時期:2024年12月上旬~2025年1月上旬

調査の枠組み

① サービス利用者向け調査:「ヘルスケアサービスの現状と課題に関する調査 2024」

自治体と健康経営企業の皆様を対象に、住民や従業員向けに外部のヘルスケアサービスをどの程度、利活用されているか、また利活用に当たっての考えや課題等を調査しました。

自治体 健康経営企業
調査対象 982自治体
(都道府県、政令指定都市、23区、中核市、特例市、その他の市町村)
※「その他市町村」は807自治体をサンプリング
全国の健康経営企業
調査手法 郵送法。
回答は郵送またはWEB
インターネット調査
有効票 303件(うち、郵送回数は135件) 203件

➁サービス開発・提供事業者向け調査:「ヘルスケアサービス開発や提供・販売にかかる現状と意向調査 2024」

ヘルスケアサービスの開発や提供・販売事業に携わる企業の皆様が、ヘルスケアサービスの開発や提供・販売に当たって、エビデンスの構築・取得や信頼性確保のためのどのような取り組みをされているのか、抱えている課題や「指針」を利用したサービス開発を進めるにあたって求める支援などを調査しました。

調査対象 医療関連製品・サービスを開発・提供する事業者(日本デジタルヘルス・アライアンス、PHRサービス事業協会登録企業やPHR普及推進協議会、ヘルスケアAIoTコンソーシアム会員、関連業界スタートアップ企業)
調査手法 インターネット調査
有効票 117件
(うち、ヘルスケアサービス提供企業からの回答は79件)

本調査における用語の定義

本調査票上では各種用語を下記のように定義しました。

■ ヘルスケアサービス本調査で対象にしている「ヘルスケアサービス」は、公的医療保険・介護保険の外にあって、健康保持や増進を目的とするもの、患者/要支援・要介護者の生活を支援するものを指します。

■ デジタル技術(IT)を活用したヘルスケアサービス「デジタル技術(IT)を活用したヘルスケアサービス」とは、デジタル技術を活用して、健康維持・増進や予防・健康管理などの効果向上を狙った公的保険外のサービス(Non-SaMD:Non Software as a Medical Device)を指します。
(例)スマートフォンのアプリに日々の体調を入力すると、その状況に応じた個別のアドバイスを受けられたり、腕時計型のウェアラブル端末を着用することで、運動データが自動で計測され、フィットネス目標の達成がサポートされるサービス、オンラインで生活指導を受けられるサービスなどを指します。

■ デジタル技術(IT)を活用しないヘルスケアサービス「デジタル技術(IT)を活用しないヘルスケアサービス」とは、健康体操教室の開催や管理栄養士による対面での栄養相談窓口の設置など、デジタル技術を利用せずに提供するサービスを指します。

■ 有用性のエビデンス「有用性のエビデンス」とは、試験や調査などの研究結果から導かれた、科学的な観点からの裏付けを意味します。例えば、ある介入に効果があるかどうか研究した場合に得られた結果を、その介入効果に関するエビデンスといいます。

本調査結果のサマリー

[サービス利用者]

  1. ヘルスケアサービス導入における障壁を克服する情報として「健康効果などの有効性に関するエビデンス」「健康増進に伴う労働生産性やQOLなどの効果」「利用率や継続率の実績」「医療費削減効果」などを重視
  2. 今後、サービス導入検討時において「指針」を参考にすると考える自治体、健康経営企業は過半数を占める

[サービス提供事業者]

  1. サービス提供事業者の大半がサービス開発時における有用性エビデンスを重視するとともに、サービスの開発、提供・販売時に「指針」を参考にすると考える
  2. 「指針」を活用したサービス開発に必要な支援として「実証フィールドとの連携の場の提供」「指針」活用方法の勉強会やセミナー」「研究開発資金などの資金援助」などに期待

サービス利用者調査結果から

利用者:
外部のヘルスケアサービスの導入状況と運用経費

【設問】貴自治体/貴社では住民/従業員向けに、外部のヘルスケアサービスを導入していますか。(それぞれ1つだけ)

利用者:外部のヘルスケアサービスの導入状況

【設問】住民/従業員向けに導入している外部のヘルスケアサービスの運用経費(貴自治体/貴社が負担する1人当たりの年額)をおよそで結構ですので、お聞かせください。導入検討中の場合は、どのくらいの予算を想定しているかお聞かせください。(最も近いもの1つだけ)

利用者:外部のヘルスケアサービスの運用経費
※ヘルスケアサービス導入済み/導入予定ベース

利用者:
ヘルスケアサービスの評価方法(複数回答)

【設問】外部のヘルスケアサービス導入後に、サービスを評価するためにどのようなことを行っていますか、または行おうとしていますか。(いくつでも)

利用者:ヘルスケアサービスの評価方法(複数回答)
※ヘルスケアサービス導入済み/導入検討ベース

利用者:
ヘルスケアサービス導入における障壁克服のために必要な情報(複数回答)

【設問】ヘルスケアサービス導入における障壁を克服するために、ヘルスケアサービスについて、どのような情報が必要だと思いますか。(当てはまるものいくつでも)

利用者:ヘルスケアサービス導入における障壁克服のために必要な情報(複数回答)
※「ヘルスケアサービス導入に障壁はない」と回答した組織を除く

利用者:
ヘルスケアサービス導入検討における「指針」の参考意向

【設問】今後、ヘルスケアサービス導入を検討する際に「指針」を参考にすると思いますか。貴自治体/貴社がヘルスケアサービスを新たに導入、あるいはヘルスケアサービスを入れ替えることを仮定してお答えください。(最も近いもの1つだけ)

利用者:ヘルスケアサービス導入検討における「指針」の参考意向

利用者:
指針やエビデンスはサービス導入の意志決定者への説明や説得材料として役立つか

【設問】「指針」やエビデンスは、ヘルスケアサービス導入についての意思決定者への説明や説得材料として役立つと思いますか。(最も近いものをそれぞれ1つだけ)

利用者:指針やエビデンスはサービス導入の意志決定者への説明や説得材料として役立つか

サービス開発・提供事業者調査結果から

サービス事業者:
ヘルスケアサービスの開発・提供状況(複数回答)

【設問】貴社は下記のヘルスケアサービスを開発、提供・販売していますか。あるいは開発、提供・販売を検討していますか。(あてはまるものいくつでも)

サービス事業者:ヘルスケアサービスの開発・提供状況(複数回答)

サービス事業者:
ヘルスケアサービスの開発における有用性エビデンスの重視度

【設問】ヘルスケアサービスの開発に当たって、有用性のエビデンス(サービスの効果に関するエビデンス)をどの程度重視しますか。(最も近いもの1つだけ)

サービス事業者:ヘルスケアサービスの開発における有用性エビデンスの重視度
※ヘルスケアサービスを開発/提供・販売済み、または開発/提供・販売を検討中企業ベース

サービス事業者:
有効性エビデンスの構築・取得状況

【設問】ヘルスケアサービスの開発に当たって、実際に有用性のエビデンスを構築・取得していますか。あるいは、構築・取得する予定ですか。(最も近いもの1つだけ)

サービス事業者:有効性エビデンスの構築・取得状況
※ヘルスケアサービスを開発/提供・販売済み、または開発/提供・販売を検討中企業ベース

サービス事業者:
構築済み/構築予定のエビデンスレベル

【設問】ヘルスケアサービスの開発に当たって、実際に有用性のエビデンスを構築・取得していますか。あるいは、構築・取得する予定ですか。(最も近いもの1つだけ)

サービス事業者:構築済み/構築予定のエビデンスレベル

*1:システマティックレビュー(文献をくまなく調査し、そのデータを総括して評価する研究)

*2:比較試験(介入群と対照群に分けて効果を確かめる調査)

*3:前後比較研究(比較対照群を置かず、介入前後の状況を見る調査)

*4:エキスパートオピニオン(当該領域の専門家[学識経験者や医療関係者等]の経験による意見)

※有用性のエビデンスを「構築・取得したサービスを提供・販売している」
「構築・取得しているが、サービスをまだ提供・販売していない」「構築・取得する予定である」企業ベース

サービス事業者:
エビデンス取得に必要な予算と期間

【設問】前問で選ばれたレベルのエビデンスをすでに取得した場合は、必要だった予算規模とエビデンス取得のために要した期間を、およそで結構ですのでお聞かせください。半角数字でご記入ください。これから取得する場合は、必要となる予算感とエビデンス取得のために必要になると思われる期間をご記入ください。

サービス事業者:エビデンス取得に必要な予算と期間
※エビデンスレベル設定企業ベース

サービス事業者:
指針の参考意向

【設問】今後、ヘルスケアサービスを開発したり、提供・販売する場合に「指針」を参考にすると思いますか。(最も近いもの1つだけ)

サービス事業者:指針の参考意向

サービス事業者:
指針は開発/提供・販売を推進するきっかけになるか

【設問】「指針」は、今後、ヘルスケアサービス開発や提供・販売の取り組みを今まで以上に積極的に進めるきっかけになると思いますか。(最も近いもの1つだけ)

サービス事業者:指針は開発/提供・販売を推進するきっかけになるか

サービス事業者:
指針を活用したサービス開発に必要な支援(最大3つ)

【設問】ヘルスケアサービスを開発、あるいは提供・販売する際に「指針」を参考にすると仮定した場合、どのような支援があると、「指針」を活用したサービス開発や提供・販売を進めることができると思いますか。(優先順位が高いもの3つまで)

サービス事業者:指針を活用したサービス開発に必要な支援(最大3つ)